臨床薬理学講座は2001年12月1日開設された医学部でもっとも若い講座です。2003年4月に大学院独立専攻科設置に伴って当講座も編入されることになり、名称が薬物作用制御学分野と改められました。正式名では少し長いので今でも非公式には「臨床薬理」で通っています。臨床薬理学の講義を受けた琉大生はまだ多くないので、卒業生でも知らない方が多いのが悩みのタネです。「臨床薬理学」とはヒトにおける治療薬の適切な、あるいはより効果的な使い方を追求する分野で薬物治療学や薬物介入による臨床研究なども含まれます。教授の植田先生は横浜市立大学の第2内科出身でレニンーアンギオテンシン系など循環調節因子の研究や高血圧の臨床に関わってきました。また、臨床薬理学では伝統のあるイギリスにも留学され、この分野では第一人者です。風貌は一度見たら忘れません。臨床薬理学に目覚める前はバンド活動にのめり込んでいて、同級生よりも1年長く大学の勉強をされました。本物のジミー大西に指を指されて笑われたこともあります。助教授の田川先生は九州大学循環器内科の出身で、動脈硬化の機序や血管機能の研究のほか、留学されていたオーストラリアでは中枢神経系の研究もされています。ちなみに教授と助教授のお二人の血液型は同じA型です。かなりシンプルな断面研究ですが血液型と性格は関連しないというevidenceがウチの講座にあります。(実際に見ればわかります。)
教室としては動脈硬化性疾患を中心とした循環器内科領域を指向しており、現在は大学院生も加わっていくつかのプロジェクトが進行中です(なぜか感染症の研究をしている人はいません)。簡単にご紹介すると、利尿薬を用いた大規模臨床研究(DIME
study)の統括、生活習慣病やメタボリック症候群における血管内皮機能障害の研究、新しい血管内皮機能検査法の開発などです。また、第1内科、第2内科、第3内科および脳神経外科の先生方とも共同研究を行っています。ヒトを相手にした臨床的な仕事から細胞を使った実験系まで駆使して、臨床に貢献できる研究をすることを常に意識しています。講座のメンバーは教授、助教授、助手(筆者)、大学院生3名、研究生1名、臨床研究コーディネーター(CRC)3名、秘書さん2名となっています。診療業務があまり無いので講座の雰囲気はどちらかというとのんびりしています。通常は各個人がそれぞれのプロジェクトを受け持っていますが、必要に応じてお互いに相談に乗ったり、協力したりしています。たまに教授の出張中を見計らってみんなで外にランチを食べに行くこともあります。臨床を意識した研究に興味のある方、大学院生や研究生として研究に携わってみたい方、歓迎します。いっしょにマニアックな話題で盛り上がりましょう。
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